薬の前に生活習慣改善

人は食べ物を食べ、消化・吸収し、排せつして生きています。口から肛門までの消化管は、引き延ばせば全長7メートル、表面積は500平方メートルになると言われています。食べた物は消化酵素によって分解され、必要なものは体に吸収され、不必要なものは便として排出されます。このサイクルに障害が出るとどうなるのか。慢性便秘について取り上げてみます。(大腸がんや炎症に伴う便秘は除きます)。
一般的に便秘症は、週に3日以上排便がなく、おなかが張る、腹痛、残便感で生活に支障が出る事を指します。最近では、排便回数に関わらず、排便困難感や残便感などの排便障害があれば、便秘症と言われています。
便秘症は、50歳以下の若年者では女性の比率が高いのですが、加齢とともに男女差は無くなります。
便秘症で腹部膨満、腹痛、食欲減退、意欲の低下など生活全般に支障をきたし生命予後にも影響すると言われています。
便秘があると、血圧上昇、脳血管障害や心疾患の誘発、慢性呼吸器疾患では低酸素血症の悪化が見られます。また便秘で腸管内に腎毒性物質が蓄積し、腎機能が悪化することも明らかになりました。高齢者では生活機能全般の低下の原因にもなります。
排便に大きな影響を与えるのは、水分と食物繊維です。米、パン、ごぼう、かぼちゃ、豆、きのこ類に含まれる不溶性繊維は便の量を増やし、果物、葉物野菜、海藻に含まれる水溶性は便を柔らかくします。そのバランスが大事で、不溶性の繊維に偏ると便は逆に硬くなり、便秘症状が悪化します。ヨーグルトや納豆などの発酵食品も、腸内環境が整えられ、善玉菌が増えて便秘を改善します。
良質の食物油を取ることも大事です。ウォーキングや腹部マッサージも有効です。また排便時の姿勢も大事で、前傾姿勢では直腸が直線化して腹筋が収縮しやすく、排便を促しやすいと言われています。
安易に便秘薬を飲む前に、今一度生活習慣を見直してみてはどうでしょうか。

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