便秘の改善方法

Q.子供の頃から便秘がちです。今まで便秘に効果があるといわれるお茶や食べ物、漢方薬などを試しましたがなかなか治りません。長年便秘薬を常用している状態です。体質的なものだとあきらめてはいますが、良くなる方法があれば教えて下さい。

A.便秘には、大腸がんなどで腸が狭くなる器質性便秘症と、大腸の働きが低下する機能性便秘症があります。
機能性便秘症には、パーキンソン病や糖尿病などで起こる症候性便秘症、抗うつ剤などによる薬剤性便秘症、精神的ストレスによる便秘型過敏性腸症候群、誘因のはっきりしないいわゆる慢性便秘症に分けられます。質問者は子供の頃からの便秘症ですので、慢性便秘症について説明します。

慢性便秘症はおおむね二つのタイプに分けられます。一つは大腸通過遅延型便秘症で、長期間排便を我慢すること(排便習慣の乱れ)や不規則な生活習慣、食生活の乱れ(食物繊維の少ない、水分摂取量が少ない)などが長年積み重なることにより起こります。直腸に便がたまっても、上手く脳が反応せず(排便反射)、便意を自覚しないため、排便に至らず、結果として腸管に止まった便が水分を吸収され硬い便となり、便秘になった状態です。
もう一つは便排出障害型で、加齢に伴い腹圧が弱くなり、大腸の蠕動(ぜんどう)運動も低下し、排便を促す骨盤底の筋力も弱いことから排便がうまくできない状態です。
多くの女性の便秘は、大腸通過遅延型便秘症で、排便回数が週3回未満、腹部膨満や腹痛、固くコロコロした便を伴い排便困難を訴える場合が多くなっています。
一方、高齢者の便秘は、便排出障害型の割合が高くなり、軟便なのに、いきんでも出なかったり、残便感で何回もトイレに通ったり、排便時に肛門の不快感を訴えることが多いのが特徴です。

質問者はおそらく大腸通過遅延型と思われます。まずは生活習慣の見直しが必要です。ウォーキングなどで腸を刺激し、少量のシソ油(オリーヴ油でも可)を加えたスムージーなど粉砕された食物繊維を毎日こまめにとること、またヨーグルトなどの発酵食品もおすすめです。
薬も多種多様です。強い下剤を飲み続けることは便秘を悪化させる原因ともなります。また、他に腸の病気が隠れていることもあります。一度消化器科でご相談することをお勧めします。

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