大腸がん検査

〜早期発見、治療で完治〜

食生活の欧米化(高脂質、高タンパク、低繊維食)に伴って、わが国では胃がんが減少し、大腸がんが増えてきています。しかも働き盛りの40代から増加し、60代が最も多くなっています。大腸がんの話の前に、ここで簡単に大腸の構造と働きについてお話しします。
大腸の長さは約150〜170センチ、太さは小腸の約2倍で5〜6センチぐらいです。ハウストラという大腸独特のひだを持ち、右下腹部より左側、肛門に向かって虫垂のある盲腸→上下結腸→横行結腸→下行結腸→S状結腸→直腸→肛門へとつながります。
口から入った食べ物は小腸で養分が吸収され、ドロドロになった状態で大腸に送られます。大腸の中を移動する間に水分が吸収されて固形状となり、直腸に運ばれます。
直腸に便がたまると便意をもよおし、16〜20時間で食物は便として排出されます。

大腸の壁は、内側から粘膜、粘膜下層、筋層、漿膜下層、漿膜の5層で作られています。粘膜下層までのがんを早期がん、筋層を越えて深く広がったがんを進行がんとしています。なぜ早期がんと進行がんに分けるかというと、リンパ節への広がりに歴然とした差があるためです。
また早期がんの中でも、がんが粘膜や粘膜下層のごく浅いところにとどまっている場合は、リンパ節などへの広がりはまず認められません。ですからがんをいかに早く見つけ、切除するかが大切なのです。
ところで、大腸がんの最も多い所は直腸で、約45%です。次はS状結腸で28%となっています。
大腸がんになりやすい人(要素)として
1.大腸にポリープがある
2.家族に大腸がんになった人がいる
3.大腸に慢性の炎症がある(かいよう性大腸炎など)
4.以前、大腸がんばかりでなく、他のがんの治療を受けたことがある
などがありますが、一つでも当てはまる人は注意が必要です。

大腸がんは胃がんや肺がんに比べると成長が遅く、リンパ節への広がりも少ないので、早期に見つけ切除することにより完治することができます。自覚症状としては血便、下腹部痛、便通異常(それまで排便に問題がなかった人が便秘になったり、下痢になったりする)、便が細い、などがありますが、これらはある程度進行したがんの場合です。
早期がんの場合には目に見えない程度の微量の出血(便潜血腸性)がほとんどです。ですから検診で初めて便性血腸性と出たら、痔からの出血のためだろうと自己判断はせず、大腸内視鏡などでの精密検査を強くお勧めします。
またがんが小さかったり、たまたま出血がない時には便潜血陰性となることもありますので、便通(大腸)が気になる方は、一度胃腸科にご相談ください。

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